E-Smart MPC 本体。産業用Raspberry Pi 5を搭載した制御盤収納対応の筐体

E-Smart MPC

制御盤の中に納まる
最適制御AIコントローラ

PID制御より賢く、
強化学習より実用的。

モデル予測制御と機械学習を融合した独自の最適制御AI「Smart MPC」を、そのまま製造現場へ。

  • EDGEクラウド不要
  • MIMO多変数制御
  • FANLESSファンレス

01 / PRODUCT CONCEPT

モデル予測
制御の
民主化

E-Smart MPCは、モデル予測制御(MPC)と機械学習を組み合わせた最適制御AI「Smart MPC」を、制御盤に収納可能な産業用エッジデバイスに実装したコントローラです。

Edge エッジ

学習・予測・最適化のすべてをエッジ単体で実行。クラウド接続は不要で、プロセスデータは外部に出ません。

Embedded 組み込み

制御盤収納サイズ、DC24V電源、動作温度 −20〜60℃、ファンレス。既存の制御盤にそのまま組み込めます。

Economical 経済性

高価な専用MPCシステムや大規模計算資源を不要にし、先進制御の導入コストを大幅に低減します。

CONTROL POSITIONING

高い制御性能と、
現場での実用性を両立

従来型MPC・強化学習の性能と、PID並みの手軽さ。その両方を目指したのがSmart MPCです。

制御性能と導入運用のしやすさを比較したTikZ図。Smart MPCは両方が高い位置にある
Smart MPCの位置づけ:従来型MPC・強化学習の性能と、PID並みの手軽さを両立

02 / CHALLENGES

製造現場が直面する
制御の課題

01

PID制御の限界

  • むだ時間を含むプロセスで性能が低下
  • 多変数制御で相互干渉が発生
  • 拘束条件を制御則で直接扱えない
  • 非線形システムでは調整が困難
02

調整にかかる負担

  • 1プロセスの調整に長時間を要する
  • 熟練エンジニアの経験に依存
  • 経年劣化や環境変化のたびに再調整
03

先進制御のハードル

  • 強化学習は大量のデータと計算資源が必要
  • 従来MPCは専用システムが高額
  • 産業用PCやサーバーの設置場所が必要

E-Smart MPCは、これらの課題を現場レベルで解消するために設計されています。
数十分〜数時間程度のデータ量で最適制御を学習。オンライン学習により環境変化へ自動適応します。

※ 必要なデータ量は制御対象の応答時間などの動特性に依存します。

METHOD COMPARISON

制御手法の比較

比較項目PID制御従来型MPC強化学習Smart MPC
多入力多出力(MIMO)×
むだ時間への強さ×
拘束条件の取り扱い×
モデリングの自動化× 人手
必要な学習データ量× 膨大○ 少量
計算資源○ 小△ 中〜大△ 中〜大○ エッジ
体系的なチューニング× 勘と経験×○ ガイド整備

03 / CORE TECHNOLOGY

コア技術:
Smart MPC

モデル予測制御の長所を引き継ぎながら、最大の欠点であるモデリングの難しさを機械学習で解決します。

CONTROL ARCHITECTURE

「予測」と「最適化」を分けて解く

機械学習モデルと数理最適化ソルバーからなるSmart MPCアーキテクチャの図 機械学習モデル、数理最適化ソルバー、制御対象を縦に配置したSmart MPCアーキテクチャの図
学習と最適化を分離して解くことで、少ないデータで安定に学習

01

少ないデータで安定に学習

強化学習が未来予測と行動最適化を一つの関数で解くのに対し、Smart MPCは二つを分離。倒立振子の実証では、従来の強化学習が数百エピソードを要する課題を、わずか数エピソードで安定制御しました。

倒立振子によるSmart MPCの制御実証

02

未来を予測して制御

過去の入出力履歴から将来のPVを予測し、予測ホライズン全体で最適なMV計画を立案。「予測してから動く」構造により、むだ時間の大きいプロセスでもハンチングやオーバーシュートを抑えます。

PV予測と将来MV計画、ラグ、予測ホライズンの関係を示すTikZ図
予測に基づき、将来のMV計画全体を最適化

03

使い続けるほど現場に馴染む

常に最新データでプラントモデルを更新するオンライン学習により、経年劣化や設備更新に伴う制御性能の低下にも柔軟に対応します。

04 / SYSTEM

既存設備につなぐ、シンプルな構成

2つのEthernetポートでUI表示用(E0)とPLC通信用(E1)を分離。PLCとの周期通信と、同一LAN内のブラウザUIを安全に運用できます。

センサ、PLC、E-Smart MPC、PCブラウザを横に配置した接続構成図 センサ、PLC、E-Smart MPC、PCブラウザを縦に配置したスマートフォン用接続構成図
PLC通信とUI表示のネットワークを分離し、安全に運用
PV

Process Variable

監視・予測・制御対象となるプロセス値。PLC経由で取得。

MV

Manipulated Variable

E-Smart MPCが計算し、PLCへ書き込む操作量。

SV

Set Variable

PVの目標値。PLCからの取得、またはUI入力を選択可能。

PRODUCT SPECIFICATIONS

製品仕様

産業用Raspberry Pi 5をベースに、制御盤内での常時稼働を想定した構成です。

ハードウェア

プロセッサ
Cortex A76(4コア)
メモリ
8GB RAM
ストレージ
eMMC 64GB + SSD 128GB〜1TB
電源
DC24V
動作温度
−20〜60℃
ネットワーク
Gigabit Ethernet × 2

ソフトウェア

制御エンジン
高速MPC演算 / リアルタイム学習・推論
PLC対応
MELSEC-Q / MELSEC iQ-R / KV8000 等
通信
MCプロトコル / 上位リンク通信 等
UI
Grafana連携 / Chrome・Firefox・Edge
権限
viewer / editor

05 / BROWSER GUI

すべてがブラウザで完結

PLC通信設定、変数定義、学習データ収集、制御パラメータ調整、時系列監視、ログ確認までを一つの画面体系に統合。追加ソフトウェアは不要です。

06 / IMPLEMENTATION FLOW

導入から運用までの5ステップ

立ち上げ手順と設定目安を標準化。調整ガイドブックに沿って、多変数最適制御を体系的に立ち上げられます。

接続から挙動調整までの導入5ステップを横に配置したTikZ図 接続から挙動調整までの導入5ステップを縦に配置したスマートフォン用TikZ図
導入から運用までの標準化された5ステップ

STEP 01

接続と初期設定

LANケーブルでPLCと接続し、PLC機種・通信プロトコル・IPアドレス・通信周期を設定。PV / MV / SVのデバイス、スケーリング、上下限、制御停止時の安全なデフォルト値を定義します。

設定後は「PLC通信開始」を押すだけ。

PLC IO設定画面
PLC IO設定

STEP 02

ステップ入力による応答確認

各MVにステップ入力を印加し、PVの応答を観察。むだ時間\(\tau_{\mathrm{dead}}\)と応答時間\(\tau_{\mathrm{res}}\)の和である「システム時間\(\tau_{\mathrm{sys}}\)」が、学習データ収集や制御パラメータの基本時間スケールになります。

むだ時間と応答時間を示すステップ応答のTikZ図
ステップ応答からシステム時間を見積もる

STEP 03

初期学習データ収集

M系列と呼ばれるランダム信号でMVを安全範囲内で加振し、応答データを収集。切替間隔、加振時間、上下限はGUIで設定でき、収集後は時系列画面でデータ品質を確認します。

安全な上下限内で変化するM系列信号のTikZ図
M系列信号で設備の応答を学習

STEP 04

事前設定と制御開始

制御周期、モデル周期、予測ホライズン長、ラグ次数を設定し、初期学習データを指定してSmart MPCを開始します。

Smart MPC事前設定画面
Smart MPC事前設定

STEP 05

コスト係数で挙動を作り込む

係数の相対的な大きさで「目標追従」「急変抑制」「省エネ」「滑らかさ」を直接表現。制御中にも変更でき、運転を止めずに挙動を調整できます。

  • SV逸脱コスト追従性
  • MV時間変化コスト急変抑制
  • MV絶対値コスト省エネ
  • PV時間変化コスト滑らかさ
4種類のコスト係数を横に配置した調整順序のTikZ図4種類のコスト係数を縦に配置したスマートフォン用調整順序のTikZ図
推奨されるコスト係数の調整順序

07 / FAIL-SAFE

安全性を最優先した設計

製造現場での運用を前提に、制御の主導権をPLC側に置いた多層のフェイルセーフ機構を備えています。

01

PLC側の制御許可 / ハートビート信号の監視

PLC側で許可された場合のみSmart MPCを開始。PLCからの要求で制御モードを開始・停止できます。また、PLCへハートビート信号を送信することで、E-Smart MPCの死活状態をPLCから監視できます。

02

制約条件を直接考慮

PV・MVの上下限制約を最適化問題に組み込み、満たせない状況でも逸脱量を最小化します。

03

安全なデフォルトMV

PVの許容範囲逸脱、制御停止、異常時には、定義済みの安全なMVを自動で書き込みます。

04

状態可視化と復旧操作

制御モード・許可・エラーを常時表示。GUIから原因確認と通信・制御の復旧操作が可能です。

08 / PROOF & APPLICATIONS

多変数制御の実証と適用領域

3 INPUT / 3 OUTPUT

相互干渉を予測し、同時に最適化

近接配置した3つのヒーターと3つの温度計による温調系で実証。PID制御では干渉によりハンチングが生じる条件でも、全チャンネルを滑らかに目標温度へ整定させます。

3台のヒーターと3台の温度計が相互干渉する多入力多出力温調システムのTikZ図
相互干渉する3入力3出力系を一つの最適化問題として制御

評価関数が明確に定義できるプロセスへ、体系的に適用できます。

空調、プロセス制御、ユーティリティ、省エネ工程の適用領域を示すTikZ図

CONTACT

最適制御を、次の現場標準へ。

製品カタログ、デモンストレーション、導入についてお気軽にご相談ください。

  • 多変数・むだ時間・拘束条件に対応
  • 学習から制御までエッジで完結
  • GUIと標準手順で現場導入
  • オンライン学習で環境変化に追従
E-Smart MPC GUI拡大表示