Edge エッジ
学習・予測・最適化のすべてをエッジ単体で実行。クラウド接続は不要で、プロセスデータは外部に出ません。
01 / PRODUCT CONCEPT
E-Smart MPCは、モデル予測制御(MPC)と機械学習を組み合わせた最適制御AI「Smart MPC」を、制御盤に収納可能な産業用エッジデバイスに実装したコントローラです。
学習・予測・最適化のすべてをエッジ単体で実行。クラウド接続は不要で、プロセスデータは外部に出ません。
制御盤収納サイズ、DC24V電源、動作温度 −20〜60℃、ファンレス。既存の制御盤にそのまま組み込めます。
高価な専用MPCシステムや大規模計算資源を不要にし、先進制御の導入コストを大幅に低減します。
CONTROL POSITIONING
従来型MPC・強化学習の性能と、PID並みの手軽さ。その両方を目指したのがSmart MPCです。
02 / CHALLENGES
E-Smart MPCは、これらの課題を現場レベルで解消するために設計されています。
数十分〜数時間程度のデータ量※で最適制御を学習。オンライン学習により環境変化へ自動適応します。
METHOD COMPARISON
| 比較項目 | PID制御 | 従来型MPC | 強化学習 | Smart MPC |
|---|---|---|---|---|
| 多入力多出力(MIMO) | × | ○ | ○ | ○ |
| むだ時間への強さ | × | ○ | △ | ○ |
| 拘束条件の取り扱い | × | ○ | △ | ○ |
| モデリングの自動化 | — | × 人手 | ○ | ○ |
| 必要な学習データ量 | — | — | × 膨大 | ○ 少量 |
| 計算資源 | ○ 小 | △ 中〜大 | △ 中〜大 | ○ エッジ |
| 体系的なチューニング | × 勘と経験 | △ | × | ○ ガイド整備 |
03 / CORE TECHNOLOGY
モデル予測制御の長所を引き継ぎながら、最大の欠点であるモデリングの難しさを機械学習で解決します。
01
強化学習が未来予測と行動最適化を一つの関数で解くのに対し、Smart MPCは二つを分離。倒立振子の実証では、従来の強化学習が数百エピソードを要する課題を、わずか数エピソードで安定制御しました。
02
過去の入出力履歴から将来のPVを予測し、予測ホライズン全体で最適なMV計画を立案。「予測してから動く」構造により、むだ時間の大きいプロセスでもハンチングやオーバーシュートを抑えます。
03
常に最新データでプラントモデルを更新するオンライン学習により、経年劣化や設備更新に伴う制御性能の低下にも柔軟に対応します。
04 / SYSTEM
2つのEthernetポートでUI表示用(E0)とPLC通信用(E1)を分離。PLCとの周期通信と、同一LAN内のブラウザUIを安全に運用できます。
監視・予測・制御対象となるプロセス値。PLC経由で取得。
E-Smart MPCが計算し、PLCへ書き込む操作量。
PVの目標値。PLCからの取得、またはUI入力を選択可能。
PRODUCT SPECIFICATIONS
産業用Raspberry Pi 5をベースに、制御盤内での常時稼働を想定した構成です。
05 / BROWSER GUI
PLC通信設定、変数定義、学習データ収集、制御パラメータ調整、時系列監視、ログ確認までを一つの画面体系に統合。追加ソフトウェアは不要です。
06 / IMPLEMENTATION FLOW
立ち上げ手順と設定目安を標準化。調整ガイドブックに沿って、多変数最適制御を体系的に立ち上げられます。
STEP 01
LANケーブルでPLCと接続し、PLC機種・通信プロトコル・IPアドレス・通信周期を設定。PV / MV / SVのデバイス、スケーリング、上下限、制御停止時の安全なデフォルト値を定義します。
設定後は「PLC通信開始」を押すだけ。

STEP 02
各MVにステップ入力を印加し、PVの応答を観察。むだ時間\(\tau_{\mathrm{dead}}\)と応答時間\(\tau_{\mathrm{res}}\)の和である「システム時間\(\tau_{\mathrm{sys}}\)」が、学習データ収集や制御パラメータの基本時間スケールになります。
STEP 03
M系列と呼ばれるランダム信号でMVを安全範囲内で加振し、応答データを収集。切替間隔、加振時間、上下限はGUIで設定でき、収集後は時系列画面でデータ品質を確認します。
STEP 04
制御周期、モデル周期、予測ホライズン長、ラグ次数を設定し、初期学習データを指定してSmart MPCを開始します。

STEP 05
係数の相対的な大きさで「目標追従」「急変抑制」「省エネ」「滑らかさ」を直接表現。制御中にも変更でき、運転を止めずに挙動を調整できます。
07 / FAIL-SAFE
製造現場での運用を前提に、制御の主導権をPLC側に置いた多層のフェイルセーフ機構を備えています。
PLC側で許可された場合のみSmart MPCを開始。PLCからの要求で制御モードを開始・停止できます。また、PLCへハートビート信号を送信することで、E-Smart MPCの死活状態をPLCから監視できます。
PV・MVの上下限制約を最適化問題に組み込み、満たせない状況でも逸脱量を最小化します。
PVの許容範囲逸脱、制御停止、異常時には、定義済みの安全なMVを自動で書き込みます。
制御モード・許可・エラーを常時表示。GUIから原因確認と通信・制御の復旧操作が可能です。
08 / PROOF & APPLICATIONS
3 INPUT / 3 OUTPUT
近接配置した3つのヒーターと3つの温度計による温調系で実証。PID制御では干渉によりハンチングが生じる条件でも、全チャンネルを滑らかに目標温度へ整定させます。
評価関数が明確に定義できるプロセスへ、体系的に適用できます。
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